本当に久しぶりのテント泊
消化出来なかった夏休み休暇を無理やり取得させられ、かといって前日も遅くまで仕事をしていたため
出かける準備をする時間もなく、ほとんど思い付きで車に荷物を詰め込む
一眼レフのバッテリー充電忘れにはじまり、小物の忘れ物多数…天気予報も確認することなく
出かけたのが運のつきか
夜半からそれなりの量の雨に降られ、翌朝は雨中での撤収
ま、たまにはこんな事があってもいいか
行き先は、道志の森
湖畔をはじめとする水辺のサイトが自分の好み
慌ただしい日常を送る中、猛烈に焚き火がしたいと切望していたので、水辺で家内と一緒にしっとりした時間を
過ごすのに良い場所かなと思い、選んだ
キャンプ場に行く道すがら、薪を売っているオジサンに出会った
一見すると無愛想なのだが、どうも話好きのようで妙に気が合う
良い薪は何たるかに始まり、どうも猟師が本業らしいこのオジサン、罠で捕まえた猪を見て行けと半ば強引に猪を見せられる
先日の台風の影響で裏山が土砂崩れに遭った際に檻が壊れて、せっかく捕らえた2頭のウリ坊に逃げられたことを皮切りに、
猪話しは続く
なかなか猪を真近で見る機会もないものだから、こちらも興味津々
また、犬が好きで15頭も飼っているとのことで、同じ犬飼いとして犬の話にもついつい話が弾んでしまった
こんな人と焚き火を前にして、一晩あれこれ話しながら飲んだらさぞかし愉快だろうな
薪を買うために立ち寄っただけなのに30分はその場にいただろうか
独りであちこちへ出かけていた頃は地元の人とそんな会話をするのも楽しみのひとつだったように回想すると、
今はキャンプへ出かけても、そのような人間関係の希薄さが普通であって、何となく物足りない小旅行のように感じる
オジサンが2ヶ月の時間を要して乾燥させたという広葉樹の薪は、火保ちが本当に良く、タキビストを
唸らせる大満足の薪だったことも記しておこう
渓流沿いにサイトを定めたが、水流の轟音で家内との会話もついつい大声になる
そう云う意味では、しっとりとは程遠い空気感だったかもしれない
道志川は横浜市の水源でもあり、横浜市民としては頭が上がらない場所だったりする
巡り巡ってこの川の水が自宅の水道として流れてくるのだから、そのように思うと人一倍、道志川には気を使って帰ってきた
轟音も慣れると気にならない
相変わらずアウトドア全般に及び腰の家内も、それに慣れてぐっすり夜は熟睡してくれて胸をなで下ろす
風が起こす木々の枝や葉がカサカサと擦れ合う音、川の流れる音、木の実が落ちる音、
そうした自然の出来事の音の中に身を置いていると、むしろ心が落ち着く
家内曰く、普段の仏頂面は一体どこへやら、終日穏やかに笑い、本当に楽しそうだったとのこと
ガラ空きのサイトがいくらでもあるのに、わざわざ我が家のサイトの隣にテントを張り始める意味不明なバイク乗り
のオヤジソロキャンパーのためにこちらが移動したり、移動した先の隣で深夜2時に大騒ぎでテントを設営をはじめ
る親子キャンパーの存在がなければ、もっと楽しかっただろうに
悲喜こもごもありで、点数付けたら50点くらいの楽しさだろうか
時期、ロケーション、家族との過ごし方・楽しみ方をいくら考えていても、他人だけはどうにもならない
キャンプ場の利用とは、そうゆう人との遭遇も込みで覚悟して臨むべき場所なのだといまさらながら実感し、同時に
マナーや教養、アウトドア成熟度の高い人との野営が懐かしく思われる
秋らしいシーンにはもう少し時間が必要かなと思われる
心の琴線に触れるようなシーンを写真に収めることが出来そうな時期に、またどこか別のところを訪れたい