『前の会社でアウトドア誌の創刊を手がけました。私はフライフィッシングが来ると予想し、実際に自分で
フライフィッシングを始めることに。英国から ハーディのバカ高いアイテムを取り寄せて、ゴールデン
レトリバーを連れて川に行きます。
やってみてわかったのですが、フライフィッシングを究めれば究めるほど、川の上流に行くことになります。
そうするとまわりに誰もいなくなる。観客がいないのです。ブームにするためにはひけらかし、他人との
差別化欲求をくすぐることが必要なのですが、それができない。それで、このアクティビティはブームには
ならないということがわかった。実際、フライフィッシングブームは 短命に終わりました。
ゴルフでもサーフィンでもボーリングでも、いつの時代も誰かがやっています。それがブームになるのは、
本気でやっている誰かの周りにいる、私は浮動票と呼んでいますが、その人たちをいかにその気にさせるか。
車でもそうだと思うのですが、信号待ちしていて隣に止まった車より自分の車のほうがカッコイイ、隣の家の
クルマはBMWなのでもっといい車を買おう、とか思うでしょう。
要はそういったひけらかしができる差別化意識をくすぐれるものなのかどうかにある。それを見つけるため
には、なんでも自分で片足を突っ込んでやってみる。するとやってるうちに飽きてくる。で、次には何が
くるか。そうやっていつも次の仕掛けを考えています。だから私は究極のミーハーなんです。』